液晶モニターの電解コンデンサを交換修理してみた
モニターが映らなくなった原因と対策
メインのPCモニターが突然映らなくなってしまいました。
動画で撮影した不具合の様子です。
症状としては、電源ランプが一定のタイミングで点滅を繰り返し、かすかに甲高いノイズが点滅と同調して発生しています。
また、モニターの電源を押しても電源は落ちず、点滅を繰り返します。
10年ほど前の製品なので寿命かなぁと半分諦めてインターネットで調べたところ、まったく同じモニターで同じような症状を直した人のブログの記事を発見。
どうやら「電解コンデンサ」の不良が故障の原因らしく、正常なものに交換したら直ったとのこと。
これはダメ元で試してみる価値ありと思い、もちろん自己責任で電解コンデンサの交換修理をすることにしました。
道具や交換部品
使用した道具や部品などは以下のとおりです。
- プラスドライバー
- ハンディリムーバー(内張りはがし)
- はんだごてとはんだ
- はんだ吸取り線
- ニッパー
- 電解コンデンサ(10V1000μF)
最大の課題は外枠を外すこと
まず、モニターのプラスチック枠を固定してるビス(背面)を外し、側面の隙間にハンディリムーバーなどを突っ込んで、気合いと根性で外枠を外します。
実際、この作業がもっとも困難で骨が折れる工程です。
大胆かつ慎重に時間をかけて作業する必要があります。
前面のフレームを外した状態が下の写真です。
続いて、背面のプラスチックカバーからモニターを外し裏返します。
左下のメニューボタンのコネクタと基板のコネクタをすべて外し(黄色い点線)、側面のビス4本を外します(赤色の点線)。
ちなみに、目的の基板は緑色の点線の裏側に配置されています。
液晶モニターと基板をつなぐフラットケーブル(右上に見える帯状のケーブル)に気をつけながら、上面のアルミ部分を開きます。
アルミ部分を開くと、ついに基板とご対面。
段違いの左右の基板同士をつなぐコネクタを外し、上の基板を固定している4本のビスを外します。
液晶モニターと基板をつなぐフラットケーブル(右下に見える帯状のケーブル)は外す必要はありませんでした。
不良の電解コンデンサの特徴
取り外した基板表面の写真は次のとおりです。
壊れた電解コンデンサの特徴としては、膨張、弁開放、液漏れ、破裂などがあるとのこと。
ほぼ中央に写っている緑色の電解コンデンサの頭部が膨張しているのがわかります。
正常なものと比べると明らかに膨らんでいますね。
確認したところ、異常な電解コンデンサは、SAMXON製10V1000μF(マイクロファラッド)の1つだけでした。
電解コンデンサの交換作業
交換すべき電解コンデンサが特定できたので、電子工作愛好者にはお馴染みの福岡市中央区今泉にある「カホパーツセンター」にて、日本ケミコン製10V1000μFを購入。
2個セットで143円でした。
いよいよはんだごてを使って不良な電解コンデンサを取り外す作業に移ります。
基板の表面に電解コンデンサの番号(今回の場合はC818)が印字されているので、裏側を見て同じ番号を特定します。
はんだごてを使って、基板にはんだ付けされているはんだを溶かし、不良な電解コンデンサを取り外します。
必要に応じてはんだ吸取り線で余分なはんだを取り除きましょう。
次に、新しい電解コンデンサを基板に差し込んではんだ付けするのですが、注意する点は、電解コンデンサには極性、つまりプラスとマイナスがあるということです(極性がない電解コンデンサもあるそうです)。
一般にはリード線が長い方がプラス、短い方がマイナスで、マイナスのリード線側は本体に帯で示してあります。
基板上での極性の区別は、表面では半円の塗りつぶしてある方がマイナス、裏面には小さく「+」記号が印字されていると思います。
極性に注意しながら、基板に電解コンデンサのリード線を差し込んではんだ付けし、余分なリード線はニッパーで切断します。
ひとまず電源ケーブルとモニターケーブルが接続できるギリギリの状態まで復元させて、ちゃんと映ることを確認。
その後、さらに作業工程をさかのぼって、元の状態に戻して作業終了。
修理してみて
電解コンデンサの交換修理で、見事にモニターが復活、部品代わずか70円ほどで直りました。
最大の鬼門は、モニターの前面・背面のプラスチック枠を外すことでした。
同じ症状でお困りでしたら、廃棄処分覚悟でチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
最後に、交換修理作業はあくまで自己責任でお願いします。
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