マーケティングと恋愛は似ている
先週、同じテーマで3グループのインタビュー調査に立ち会う機会を得た。
その具体的な内容について詳細を述べるわけにはいかないが、個人的に思ったことを少し。
まず、企業やお店が考えている以上に、消費者は品質やサービスについて鋭い観察眼を持っているということ。
個人的経験や身近な情報を頼りに、かなり正確な判断を下しているのだと感じた。
つまり、ごまかしやまやかしは通用しない。
また、実際の売り場に関する次のような意見に、消費者の微妙な心理状態をうかがい知ることができた。
押し売りは嫌だけど、放置されるのも嫌だ。
それはどこか恋愛に似ていると思ったと同時に、ある本の一節が鮮明に脳裏に浮かんできた。
「商品は貨幣を恋したう。だが『まことの恋がなめらかに進んだためしはない』。」†1
このポエトリーな一節は、「販売」と「購買」という相反する微妙な立場を恋愛におけるそれらに例えてみごとに表現している。
やや俗っぽく言い換えれば、販売が強引過ぎれば購買は引いてしまうだろうし、逆に販売のアピールが足りなければ購買はその「価値」に気づくことすらない。
「販売」と「購買」双方のタイミングとフィーリングが合致したとき、はじめて相思相愛の関係が成立する。
もちろんマーケティングを一般の人間関係にまで拡大解釈してしまうことには慎重にならないといけないが、双方のタイミングとフィーリングの不一致をできる限り減らすような提案をすることが、われわれマーケターの仕事かもしれない。
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Notes
- 阿部真也『現代流通経済論』1984年 有斐閣経済学叢書 ↩
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たしかに~
まずは自由に見させて欲しい。遠くから見守って欲しい。
そして私がちょっと困ったり悩んだりした時には、いち早く白馬に乗って駆けつけて欲しい。そんな店員王子を私は待っている。
王子の対応が素晴らしければ素晴らしいほど、また会いに(買いに)訪れることでしょう~:heart:
姫より