それぞれの事情

2008.06.15 Edu Farm 0 Comment boff 28 views

6/12、高知県から徳島県美馬郡のつるぎ町におうかがいしました。
つるぎ町は、平成17年3月に半田町、貞光町、一宇村が合併してできた町で、同じ四国愛媛県の石鎚山(1,982m)に次ぐ、西日本第二の高峰 剣山(1,955m)の登山口で有名な地。
典型的な中山間地域で、眼下には吉野川と見渡す限りの山です。
つるぎ町での第1回目の教育ファームの取り組みはすでに終わっていて、今回はごあいさつも兼ねて実施された現場の確認もさせていただきました。
 

役場でのごあいさつもほどほどに、早速、児童たちが田植えをした田んぼに連れて行っていただきました。
田んぼについて、まず驚いたのがその完成度の高さです。
写真でもわかるように、まるで田植え機で植えたかのように整然と苗が植わっていました。
じっくり観察すると、ところどころ苗が飛んだりしているところがあるとはいえ、等間隔にそして曲がることなくきれいに植わっています。
同じ四国の横内小学校介良小学校の田植えとは対照的な状況に少し驚きました。

ちなみに用水路は水路閣になっていて、ポンプで水をくみ上げ田んぼに供給されるようになっています。
田んぼから次にサツマイモ畑に向かう車中でつるぎ町の現状についていろいろとお聞きすることができ、この対照的な状況について自分なりに解釈できた部分もありました。
誤解もあろうかと思いますが、あえて感じたことを述べると、田植え後の田んぼの管理の手間ヒマを考えると、セオリー通りにきっちりとした田植えをせざるを得ない現実があるということ。
教育的効果を狙った農業体験となれば、自由奔放に子どもたちに体験させることが重視される一方で、農業振興というスタンスではすでにそこまでの「のりしろ」は少なく、また生産者のみなさんには多忙な合間に協力していただくことになるのだから、どうしても生業として農作業をせざるを得ないのではないでしょうか。
決してどちらかが正しくてどちらかが間違っているということではなく、同じ教育ファームといえども、それに取り組む背景や事情はさまざまだということを知り得たように思います。

少し山に上がったところにサツマイモ畑がありました。
こちらも順調に育っているようです。
この畑のすぐ近くにゆず畑があって、児童たちはゆず摘みも体験するそうです。
ゆずを見せていただこうとゆずの実を手で触ろうとしたところ・・・・知りませんでした。
ゆずには鋭く長いトゲがあることを。
幸いにも怪我することはありませんでしたが、かなり驚きました。
高知県からつるぎ町役場に到着した直後に、町民の方が役場で畑の借り手を捜してほしいといった相談をされている場面に遭遇したことを、サツマイモ畑から役場に戻る車中で、「最近、あのような相談は増えているのですか?」と質問させていただいたところ、ご担当者の方から次のような回答をいただきました。

 

ほとんどの農家が高齢化していて、もう自分では畑ができなくなってきています。
ましてや、この中山間地域では大型の機械を入れて自動化できない分、どうしても人手で農作業をしなければならないので、なおさら農業を続けることは厳しくなります。
ですが、この環境の中でも農業に精を出す人たちがいる以上、その方たちを私たちは見捨てるわけにはいかない。
そのために、農家の方たちが農業を続けるモチベーションを維持するにはどうすればいいのかを考えなければならないと思います。

 

これが現実だと、次の香川県への移動中の電車の中で考えさせられました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Only Japanese comments permit.

TrackBack URL

Top