善意の身柄拘束?!
元日本ハムファイターズ監督 大沢親分が10/7にお亡くなりになったので、ひさしぶりに辛口なMarble-Labで公的サービスに「喝っ!」(ちなみに私は「トラキチ」です)
某週末、いつものように某公園を愉快な仲間たちとウォーキングしていました。
談笑しながら歩いていると、足元にカギが落ちているのを発見。
拾い上げてみると、明らかに家のカギだったので近くの交番に届けることにしました。
きっとこのカギの持ち主は、今ごろ玄関の前で青ざめているに違いないと思い、いつもより少し急ぎ足で、某公園に1つだけある交番まで300mほど後戻りしました。
数分後、プレハブのような交番の前に到着するやいなや、入り口のところに次のような注意書きが貼られているのに気づきました。
当派出所出張所では、拾得物の授受・保管をおこなっておりません。
貼り紙の内容に絶句し立ち尽くしていると、中にいた警官のうち一番若そうな警官が出てきて「どうしました?」と声をかけてきました。
その声でわれに戻り、カギを拾ったので届けにきたと伝えたら、少し困った顔をした若い警官が「あのぉ~、この近くにある××交番をご存知ですか?」と言い放ちました。
その一言で、スイッチオン!
少し語気を荒らげて「はぁ?僕にその××交番に今から持っていけと?」と問うと、できればそうしてほしいといった表情を浮かべたので、間髪入れず「これどうみても家のカギですよ?落とした人は相当困っているはずですよね?!」とタタミかけました。
すると少し慌てながら「ちょっと待ってください。××交番に連絡をして引き取りに来てくれるか確認してみますので」とプレハブ交番の中に入っていきました。
そのプレハブ交番の前で待たされること数分、心の中に渦巻いていた思いは「カギさえ拾わなければ、こんな思いはしなくて済んだのに!」という後悔の念。
もうこの時点で、警察は善良(?)なる市民の善意を踏みにじっているわけですよね。
そんなことを微塵も感じていないプレハブ交番の若手警官。
ようやく出てきたかと思ったら、今度は事の次第をうかがうために別の警官までゾロゾロと出動。
まるでちょっとした「容疑者」のような状況になってしまいましたが、××交番と確認が取れたらしく今回は「特別に」預かるということになり、ようやくこれでカギを渡して「釈放」されると思ったのもつかの間、受け取る代わりにこちらの住所、氏名、電話番号を教えてくれとのたまう。
なぜにこちらの個人情報が必要なのかとたずねると、若手警官は「カギの持ち主があとでお礼をしたいといわれるかもしれないので・・・」というので、その必要はないと言い返すと、別の警官が「いや、確実にあなたからこのカギをわれわれが受け取ったという証拠を報告しないといけないので」と少しだけもっともらしい別の理由を述べられました。
しかし、確実に受け取ったということの証拠とするには、双方が同じ情報を保持しあうことではじめて成立するはずなので、「なぜそれ(一方的な個人情報の確認)が受け取りの証明になるのよ?」と聞くと、プレハブ警官2名はあえなく沈黙。
もうこれ以上問い詰めて「黙秘権行使」されても時間のムダだと判断して、こちらの氏名、住所、電話番号を「ゲロ」して、やっと「保釈」されました。
「保釈」されてから、いっしょにウォーキングを楽しんでいた愉快な仲間たちに追いつくのに、1周してプレハブ交番を通り過ぎてもまだ姿がみえず、いったいこのプレハブ交番前での「身柄拘束」にどれだけの時間をロスしたことでしょうか。
愉快な仲間たちに追いつくための孤独なランニングの間に、カギを拾ってしまったことに対する後悔、善意を踏みにじるような警官の応対に対する憤り、この公園内では二度と落し物は拾わないという固い信念などなど、おおよそ健全ではない考えばかりしか浮かびませんでした。
要するに、某公園内の某派出所出張所は、某国領事館を警備するためだけに存在するのであって、所詮は、「領事館警備員のプレハブ事務所」だといっても過言はないわけですよね。
100歩譲ってそうだったとしても、とある市民が公的サービスに対して不満や怒りを感じたという事実は、拭いようがないんですが。
3年ほど前に、「政府が、民間のサービスのクオリティを評価する」という記事の中で、「公的サービスに対しては一刻も早くやっていただきたい」と書いたことがあります。
今思うと、選挙以外にも、「民間」が公的サービスのクオリティを評価し改善を要求できる制度やシステムが必要だなと感じました。
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Only Japanese comments permit.
こういう体験をしてしまうと、次に落し物を見つけても躊躇するというのが普通でしょうね。
警官や交番によって機能の制限があるなんて、一般市民は知る由もありません。あちらの勝手な都合ですもん。
拾得物を受け付けないという貼り紙があるということは、これまでに同じケースがあったのでしょうね。だとしたら、その時も一般親切市民を不快な思いにさせているだろうから、ちゃんとした対応策を講じるべきでしたね。怠慢です。
こうやって、不信感が高まってゆくのでしょう。非常に残念なことです。
少し想像力を働かせれば、今何をすることが最善策か導き出せると思うんですけどね。
とくに、今回は「家のカギ」ですから落とした人は血眼になって探すでしょう。
もし公園内にアナウンスできるなら、「カギを預かってます」と園内放送してあげてもいいくらいの代物。
それを、見ず知らずの拾った人間に、さらに別の交番にもって行かそうなんて、警察の根幹である危機管理能力さえ疑わしい。
例の某公園内で、「落し物預かりますサービス」をやれば結構良い商売になるかもです:hahaha:
むしろあんな交番に届けず、ツイッターで「何月何日あの辺でカギ拾いましたよ~」とみんなにRTしてもらった方がさっさと持ち主見つかる予感。
道を聞いて、身柄拘束されたことが2回あります。
そのうち1度は、パトカーで目的地まで「護送」されるという、
おまけ付きでした。どうやら彼らの常識は、ずれているようです。
以下、サンデル教授風にお読み下さい。
今、公園で拾った鍵があるとする。
これがないとこまる人がいることは明らかだ。
そこで、
その鍵を交番に届けると1時間拘束されることになる。
しかし当たりを見渡すと、交番に鍵を投げ入れて、
走って逃げることも可能かもしれない。
ただしこの場合、もう少し長く控訴される危険がある。
さて、どちらの選択が正義だろう。
to かすみんさん
いわれてTwitterでつぶやき拡散してもらいました。
ありがとうございます。
持ち主まで情報は到達したでしょうか?
ある意味、Twitterの情報伝達力テストですね。
to speedyさん
>道を聞いて、身柄拘束
確か、夜間の職務質問体験もおありではなかったですか? 8-)
もし「彼らの常識」を「正しく」認識していたならば、愉快な仲間たちに落ちているカギの見張りをしてもらって、警官を呼びに行き、その警官にカギを拾わせるという選択肢もあったなと。
その場合、警官が「彼らの常識」で拾わないのか、「一般常識」で拾うのか、さて、どちらの選択が「正義」なんでしょう。