私の街の気になりま専科? #45
話には聞いていましたが、福岡市動植物園はかつて東区にありました。
たまたま馬出小学校付近を歩いていて、当時の入場門に出くわしました。
福岡市登録文化財第1号としてそのまま残されています。
今もユーモラスなゾウの顔が向き合って立っています。
馬出小学校の前は福岡中学校で、中学校に通っていたラボメンのPinkyさんの話よると、「当時はこんなにきれいではなかったので塗り直されているかも」とのことでした。
門については以下のように説明が記されていました。
かつてこの場所には、市立の動植物園(面積約1.7ha)がありました。千代・堅粕など東部地域の発展を期して、全市民の寄付により、昭和8年8月に開園したものです。この門は当時の正門として使われていたものです。
園内には、ゾウ、ライオン、クマ、オットセイなどの獣類65種、鳥類124種、植物100種余りが収容、展示され、福岡市の名所として子どもたちに親しまれていました。
太平洋戦争の激化とともに入園者は減少し、飼料も入手しにくくなり、さらに空襲による獣舎の破壊も予想され、昭和19年5月ついに閉園となりました。
その後跡地は福岡中学校さらに馬出小学校となり現在に至っております。
福岡市動植物園のサイトを見ると、昭和天皇即位御大典記念事業として昭和8年(1933年)に動植物園は開園されたとのこと。
今年は令和元年(2019年)ですので、つまり86年前です。
当時の観覧料は、大人(12歳以上)15銭、小人(12歳未満)10銭(後に8銭)、軍人10銭となっており、「軍人」用の料金設定が当時の時代背景を物語っています。
戦局が悪化したため昭和19年(1944年)5月に閉園することになります。
今から75年前ですので、70歳代後半以上の方は当時のことギリギリご存知かもしれませんね。
説明書きに当時のモノクロ写真も掲載されていたので、こちらのWEBサービスを使ってカラー化してみました。
門が当時のままであることと、このとき快晴だったことはわかりました。
福岡市の文化財サイトによると、この門は、ドイツのハンブルク市にあるハーゲンベック動物園(1907年開園)の正門を模して建てられたとか。
そのハーゲンベック動物園の正門はこんな感じです。
改めて旧福岡市動植物園とハーゲンベック動物園の正門のゾウを並べてみると、ハーゲンベック動物園のリアルさに比べて旧福岡市動植物園のなんちゃってB級感がおもしろいですね。
ちなみに、「Y氏は暇人」さんのサイトによると、旧福岡市動植物園内の池にあった「浮見堂」は現在は大濠公園に移設されているという記事がありました。
福岡市のサイトでも、浮見堂は正面門から入ってすぐのオットセイ池に建っていて、その後大濠公園に移築されたという記述がありますので、間違いないでしょう。
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